意匠と性能②
意匠と性能続編を。八重沢です。
少し前のお話ですが10万円の給付金皆さんは何に使いましたか?私は2017年に自宅を建築させて頂きまして竣工時から探していたチークの小さなチェストをお付き合いのある家具屋さんより見繕って頂き運よく我が家にやってまいりました!一生もの。
主寝室で佇んでおりますが、そこにあるだけで室内が引き締まります。家具は本当に良いものなら100年は使い続けられるでしょう。もちろん大切に丁寧に扱ってこそ。建築もそれに負けないようにそんなふうに有りたいものです。家具のお話はまた今度に。
それでは私たちの大切にするデザインコンセプト『意匠と性能』性能についてです。
性能についても別ページに概念図を掲載させて頂いております。東北の震災、エネルギーシフト、簡単には書ききれないですし書き飛ばすことすら憚るのですが本当に大勢の方が胸を痛め直面した問題です。住宅建築の出来ることは?との思いでたくさんの情報が盛んに議論、或いはオープンに発信され今では住宅取得者の多くの方が恩恵に預かるように情報は出揃いました。しかし!業界実務者の方が情報に疎く、未だによく理解していない現状も残念ですが多く見受けられます。私はトップランナーの方々が開示する情報を貪るように咀嚼し自分の中に必死に落とし込みました。誰にでも手の届く所に情報はいつでも有ります。さてそんな中、私たちが大切にする性能(温熱)ですが、何においても1番の理由は建築主さんへの恩恵です。
建てられる住宅で生活をする限り、限りなく温度差の少ない室内環境がつづく。そしてそれがより少ないエネルギーで実現できることで、健康面・ランニングコスト面は勿論、精神的にも安心して暮らし続けることが出来ます。温熱性能の優先順位が低い計画だと住宅ローンを組む年数の途中で生涯コストが逆転してしまいます。例えば電気をメインエネルギーと考えてもこの先が不安になるような電気代のかかる計画は、建築の力でとうに克服できるのです。初期費用の割り振りを間違えずトータルで未来を見据え温熱性能を確保することが、今家づくりを真剣に考える施主さんへ出来る私たちの基本姿勢であるべきだと考えています。性能アップはやれば誰にでも出来ると言いますが、本当に大切な事だと認識しその上でどこまで温熱性能を担保するべきなのか。方法は様々。一長一短もちろん有ります。そんな中、私たちが思う十日町に最適な温熱性能はHEAT20をお借りして言うとG1.5〜G2.5が最適と考えております!
これからは使用するエネルギーから考える必要があるでしょう。電気・灯油・薪・ガス・水素・・・様々な想定の中、あらゆる工法を許容するならばある程度性能値の幅が必要だと考えます。みんなでしたいので。
根拠としてはあまりテクニカルな話になるとマニアしかわからない話になりますので簡単に。1つ目は私の十日町の自宅がUA値0.39でYUCACO方式で全館暖冷房が実現できている事から下限値をG1.5としています。全く問題なく暮らしております。細かいデータはまた別の回に。2つ目は上限値です。自社社員宅の計画計算によると構造躯体を我が社の仕様で特殊な事をせず比較的簡単な仕様UPでG2.5相当のUA値0.28が検証できました。サラッとすごい事なのです!これで温熱性能の範囲はひとまず定められ、ここからがとてもとてもとても重要な事です。断熱の厚み、良いサッシの採用は誰でも真似できますが、本当に長く暮らす室内環境を実現する為に断熱には気密(本当は防湿!!!)がセットです。最重要。防湿をする事でしか断熱性能の維持を担保出来ません。←これが本当に大切な事です。2回言いたい。断熱材に湿気を吸放出させるなどあってはならないことだと考えているからなのです。私たちは全棟気密測定を行っています。気密を実測し把握する事は防湿の確実性を知る為です。この性能が本当に重要だと理解しているからです。自社アベレージも把握しています。これからはこの性能C値をさらに良くするべく現在さらに勉強中です。目指せ0.36以下。これまでの数値も1.0を切るのは当然のことでしたがこれからは更に良くなります。より十日町に適した良い建築を提供するために進化しています!
夏蒸し暑い十日町、冬は豪雪十日町。四季が色濃く水や自然の恩恵に恵まれた美しいこの地に末長く様々な面で安心して暮らして頂きたい一心で私たちはこの温熱性能をこの地域で必要な基準とさせて頂きました!
補足は都度都度させて頂きますがこのデザインコンセプト『意匠と性能』がこの地に最適なものと信じてご提案させて頂きます。楽しみです。
100年続く工務店を目指して
SW.design yaezawa